陳旧性繊維腺腫様の粗大石灰化を伴う浸潤性乳癌の一例

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タイトル別名
  • A case of invasive breast cancer with old fibroadenoma-like coarse calcification

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抄録

【はじめに】MMG 画像の中には診断基準に当てはまらず,診断に苦慮する症例が 存在する。我々はMMG にて粗大石灰化所見を認め,良性と判断した乳癌症例を経験したので報告する。【症例】65歳女性。若い頃から右乳房腫瘤を自覚していた。乳癌検診のMMG にて右乳房の粗大石灰化所見を指摘され,精査目的にてコンサルトされた。触診にて右乳房C 領域に2cm 大の硬く可動性良好な腫瘤を触知した。MMG にて右乳房の粗大した石灰化病変と考え,カテゴリー2と判断された。乳房超音波検査にて右乳房C 区域に1cm と1.6cm 大の低エコー腫瘤を認め,内部に石灰化病変を認めた。2つの乳房腫瘤より針生検を行い乳癌の診断となった。CT 検査にて石灰化病変周囲に造影効果を認め,乳房MRI 検査では網状濃染像を認めた。以上より右乳癌の診断にて鏡視下右乳房温存術を施行した。術中センチネルリンパ節生検にてリンパ節転移陽性の診断となり,レベル1の腋窩郭清を施行した。【考察】乳房MMG における粗大石灰化病変は一般的に良性を示唆する所見と考えられている。本症例の画像からは悪性を疑いにくく,カテゴリー2として経過観察する場合もあると考えられ,注意が必要であると思われた。【結語】MMG での診断に苦慮した粗大石灰化所見を伴った乳癌の症例を経験した。

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