腎摘除術後4年目に切除した腎細胞癌胆嚢転移の1例

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タイトル別名
  • A Case of Gallbladder Metastasis from Renal Cell Carcinoma Resected 4 Years after Nephrectomy
  • 腎摘除術後4年目に切除した腎細胞癌胆囊転移の1例
  • ジンテキジョジュツゴ 4ネンメ ニ セツジョ シタ ジンサイボウガン タンノウ テンイ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は66歳,男性.4年前に左腎癌に対して左腎摘除術を施行し,術後診断は淡明細胞型腎細胞癌であった.術後3年目の腹部造影CTと腹部超音波検査で胆嚢内に腫瘤を認めたが,コレステロールポリープの診断で経過観察となった.術後4年目の検査で腫瘍径が増大しており,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.摘出標本は17mm大の亜有茎性腫瘤で,組織学的に淡明細胞型の腫瘍細胞を認めた.免疫組織染色ではCD10・PAX8が陽性,CK7・CEAは陰性であり,腎細胞癌の胆嚢転移と診断した.術後3年4カ月経った現在,無再発生存中である.</p><p>腎細胞癌の転移臓器は肺,肝臓,骨が多いとされ,胆嚢転移は0.59%と稀である.腎細胞癌胆嚢転移の本邦報告例は45例であり,胆嚢摘出後の長期生存例がしばしば認められた.腎細胞癌の既往のある患者において胆嚢腫瘤を認めた場合は,転移の可能性を念頭に置き,胆嚢摘出術を考慮すべきである.</p>

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参考文献 (32)*注記

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