多職種による継続的サポートが,がん遺伝子パネル検査における生殖細胞系列の遺伝情報開示の意思決定に重要であった症例:当院での取り組みについて

DOI
  • 植野 さやか
    兵庫県立がんセンター 研究部 兵庫県立がんセンター 遺伝診療科
  • 田路 紗和子
    兵庫県立がんセンター ゲノム医療・臨床試験センター
  • 浦川 優作
    神戸市立医療センター中央市民病院 腫瘍内科
  • 南 智也
    兵庫県立がんセンター 検査部
  • 菅原 宏美
    兵庫県立がんセンター 遺伝診療科
  • 板垣 あい
    兵庫県立がんセンター 遺伝診療科
  • 日下 咲
    兵庫県立がんセンター 看護部
  • 松本 光史
    兵庫県立がんセンター 遺伝診療科 兵庫県立がんセンター 腫瘍内科
  • 須藤 保
    兵庫県立がんセンター 研究部 兵庫県立がんセンター ゲノム医療・臨床試験センター
  • 田村 和朗
    兵庫県立がんセンター 遺伝診療科

書誌事項

タイトル別名
  • Importance of continuous support from various healthcare professionals in the decision-making process about disclosure of PGPV/GPV following cancer genomic profiling tests: a case report and our approach

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抄録

<p> がん遺伝子パネル検査では生殖細胞系列病的バリアント(疑い含む)が明らかになる場合があり,情報開示について事前に意思決定する必要がある.今回われわれは,検査から7カ月の時間経過を経て情報非開示から開示へと意思が変化した症例を経験した.症例は67歳,肺がん女性.抗がん薬による一次治療中に増悪を認め,がん遺伝子パネル検査を受検した.情報開示を希望せず,検査結果説明時にも意思の変更はなかった.二次治療に対する不安が強く,不眠を訴えていた.看護師によるメンタルサポートを受け精神状態が安定するのを待って,がんゲノム医療コーディネーター(CGMC)から再度説明を行い,初めて家族内で遺伝情報の取り扱いについて話し合う機会をもつに至った.本人は遺伝外来で確認検査を受検し,血縁者である娘たちは遺伝外来を継続受診中である.本症例では,CGMC・看護師・主治医・遺伝診療部門の連携が図れたことにより,患者の意思決定が支援できたと考える.</p>

収録刊行物

  • 遺伝性腫瘍

    遺伝性腫瘍 23 (2), 60-66, 2023-09-30

    一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会

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