外耳道癌79症例の早期臨床像

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タイトル別名
  • Early Clinical Presentations in 79 Patients with External Auditory Canal Carcinoma
  • ガイジドウガン 79 ショウレイ ノ ソウキ リンショウゾウ

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抄録

<p> 外耳道癌はまれな疾患であるため臨床経過に関する報告は限られており, 特にその早期臨床像は十分に明らかにされているとはいえない. 本研究では, 東京医科歯科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診した外耳道癌新鮮例79例を対象とした早期臨床像に関する診療録の後ろ向き調査とアンケート調査を行った. 全79例の初診時年齢の中央値 (四分位範囲) は64 (51.5~72.5) 歳であり, 男性が42例 (53.2%) であった. 病理組織型は扁平上皮癌が67例, 腺様嚢胞癌が8例, 腺癌が4例であった. 他疾患に対し頭頸部領域への放射線治療歴を持つ症例が5例あり, 病理組織型は全例で扁平上皮癌であった. 発症から診断確定までの期間は4.0 (1.5~11) カ月であり, 41.3%が発症から3カ月以内に, 57.3%が6カ月以内に確定診断を受けていた. 発症から診断確定までの期間と当科初診時の病期の間に相関は認めなかった. 診断を確定した施設は, 診療所が5.1%, 一般・国立病院等または大学病院が94.9%であった. 症状は, 耳漏, 耳痛, 血性耳漏が多かった. アンケート調査に回答した38例全例に耳かき習慣を認め, 外耳道癌の診断以前に26例 (68.4%) が外耳道炎の診断を受けていた. 腺様嚢胞癌は, 扁平上皮癌に比較して発症から診断確定までに長期間を要すること, 年齢が低いこと, 耳痛を訴える頻度が高いこと, 耳内所見は狭窄型を呈する症例が多いことが明らかとなった.</p>

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