動眼神経麻痺で発症した下垂体卒中の1例

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タイトル別名
  • A Case of Pituitary Apoplexy Approving with Oculomotor Palsy and Dizziness

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抄録

<p>下垂体卒中は下垂体腺腫内に出血や梗塞を発症し,頭痛や視力視野障害,下垂体機能低下をきたす症候群である.動眼神経麻痺を呈した下垂体卒中の1例を経験した.症例は75歳の女性.左動眼神経麻痺が出現し,頭部MRIで左海綿静脈洞へ進展する出血成分を伴う下垂体腫瘤を認めた.下垂体卒中と診断し,発症から2週目で内視鏡下経鼻的蝶形骨洞手術を施行した.術翌日に動眼神経麻痺は完全に回復した.本例でみられた内眼筋障害を伴わない動眼神経麻痺の原因は,動眼神経を栄養するmeningohypophyseal trunkやtentorial arteryが二次的に圧迫,閉鎖されたことと考えられた.手術適応と時期として,外眼筋障害のみでは必ずしも緊急手術の適応がないとされるが,手術時期を検討するうえで迅速で的確な診断が重要である.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中の外科

    脳卒中の外科 51 (5), 433-437, 2023

    一般社団法人 日本脳卒中の外科学会

参考文献 (6)*注記

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