居住支援における本質的価値と障害者グループホームの可能性

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タイトル別名
  • キョジュウ シエン ニ オケル ホンシツテキ カチ ト ショウガイシャ グループホーム ノ カノウセイ

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抄録

本稿では最初に,「居住」概念を拠り所として,居住支援が備えるべき本質的価値は「生活主体」としての存在の重視と,本人の社会関係の広がりを重視することであると提示した.そのうえで,それを障害者グループホームを拠点として具現化する方策について検討するために具体的支援事例を提示し,入居者の日常生活における主体の現れをとらえて応答する支援によって自律的な居住のベースをつくることの重要性と,それが本人らしい社会関係の広がりにもつながることを示した.応答的な支援に必要な体制づくりと協働を,共同生活援助事業の枠に留まらずに実践していくことこそ,居住支援としての障害者グループの社会的存在意義であり,権利擁護の実践である.そして,サービスの枠内に障害のある本人の生き方を限定しないためには,複数のサービスを柔軟に本人仕様に組み立てることができる制度の拡充が求められる.

収録刊行物

  • 発達障害研究

    発達障害研究 44 (2), 122-130, 2022-08-31

    日本発達障害学会

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