認知症疾患診断のための心理学的評価の実際:MMSEの五角形模写課題を取り上げて

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Practical Psychological Assessment for Dementia Diagnosis: MMSE Pentagon Copying Test

抄録

<p>認知症疾患診断のための心理学的評価としてMini-Mental State Examination(MMSE)の重なった五角形模写課題に焦点をあてた。レビー小体病(DLB)において疾患の進行に伴い,図形を極端に小さく描く症例を供覧し,アルツハイマー病(AD)21例とDLB 22例にCaffarra et al.(2013)のQualitative scoring MMSE pentagon test(QSPT)と模写図形の面積測定を行った。結果,DLB群はAD群に比べて角の数や重なり方といった基本的なゲシュタルトの誤りが有意に多く,模写図形を有意に小さく描く傾向が認められた。基本的なゲシュタルトを誤ることは視覚性注意や視覚認知と,模写図形を小さく描く傾向はパーキンソン症候群に多くみられる小字症(micro graphia)と関連する可能性が示唆された。</p><p>【インパクト】</p><p>本研究は高齢期という発達段階にかかわる心理職の業務として最も頻度の高い認知症のアセスメントにおいて,認知症スクリーニング検査結果解釈に焦点を当てた。認知症疾患診断において重要な指標となる視覚構成能力を測る図形模写において,DLBをADと比較した場合の特徴を明らかにし,疾患診断に役立つ知見を得た。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 34 (3), 159-167, 2023

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579244547454336
  • DOI
    10.11201/jjdp.34.159
  • ISSN
    21879346
    09159029
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ