持続可能な発展を促進する企業組織のあり方の探求
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- 若林 直樹
- 組織学会 京都大学経営管理大学院
抄録
<p>人類社会の持続可能な発展に対する国際的な議論が高まるにつれて、主要な経済主体である企業が経済的側面だけではなく社会や環境の側面で果たす具体的な行動の影響や貢献のあり方についての関心が高まってきた。だが、日本を含めてメゾレベルの企業組織での事業活動がマクロな次元の持続可能な発展ともつ関連やその影響についての経営学的、組織論的な研究はまだ混乱、不足している。今後は、企業に焦点を当てたマルチレベルでの相互作用の分析、文理を越えた学際的な研究と概念化、経営指標よりも社会的インパクトを成果指標とした分析、企業をめぐる複雑な現象の解明についての新たな研究方法の応用などが求められる。日本では、社会的責任、環境経営、NPOとの連携、社会的企業家などの実証研究がなされてきたが、今後は、持続可能な発展の諸目標に対してその組織活動が与える影響、貢献、課題について統合的に検討するべきだろう。こうした経営学や組織論の研究を通じて、企業が果たすべき組織的な貢献の具体的な姿が見えてくるだろう。</p>
収録刊行物
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- 21世紀における持続可能な経済社会の創造に向けて
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21世紀における持続可能な経済社会の創造に向けて 2 (2), 1-8, 2022
日本経済学会連合
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390579244547488768
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- ISSN
- 24367028
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可