脳を標的とした経鼻投与製剤へのイオン液体の応用

書誌事項

タイトル別名
  • Application of ionic liquids to intranasal formulation targeting the brain

抄録

患者数が増加傾向にある難治性中枢神経系疾患を治療する医薬品の開発において、治療薬を脳内に送達する技術の開発が喫緊の課題となっている。脳は血液脳関門(blood-brain barrier、BBB)によって保護されており、経口あるいは静脈投与された薬物のほとんどが脳内に到達できず、これら薬物による中枢神経系疾患の治療を困難にしている。近年、BBBを迂回して治療薬を脳に送達する方法として、鼻から脳への直接経路が存在する経鼻投与が注目を集めている。しかしながら、本経路では粘膜繊毛クリアランスや鼻粘膜組織が鼻腔からの薬物吸収を妨げているため、効率的な鼻から脳への薬物送達にはこれら課題を克服することが必須である。本稿では、近年DDS材料として注目されるイオン液体を、脳を標的とした経鼻投与製剤に応用した研究例について紹介する。

収録刊行物

参考文献 (34)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ