造血細胞移植後の肝障害の鑑別にMRIが有用であった輸血後鉄過剰症の2小児例

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  • TWO PEDIATRIC CASES OF POST-TRANSFUSION IRON OVERLOAD IN WHICH MRI WAS USEFUL FOR DIFFERENTIATING LIVER INJURY AFTER HEMATOPOIETIC CELL TRANSPLANTATION

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抄録

<p>小児がん患者における輸血後鉄過剰症については,海外からは報告が散見される.成人と同様,白血病等における同種造血細胞移植患者において,移植前の血清フェリチン値と合併症の相関等が議論されているが,日本国内からはまだまとまった報告はない.我々は,肝障害を来し,輸血後鉄過剰症と肝移植片対宿主病(GVHD)との鑑別に磁気共鳴画像(MRI)が有用であった2例を経験した.2例とも急性骨髄性白血病であり,肝GVHDとして免疫抑制療法等を行ったにもかかわらず遷延する肝障害を呈していた.高フェリチン血症を認めたためMRI撮像したところ,高度鉄沈着を示唆する所見を呈した.輸血後鉄過剰症として鉄キレート療法を行って肝障害が改善した.小児がん患者において,骨髄抑制期間が長く頻回の輸血を要するような症例では,急性期に臓器障害を伴う輸血後鉄過剰症を示す可能性があるが,治療介入の指針や時期については明らかになっていない.今後日本国内でも大規模な調査が必要と思われる.</p>

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