経母乳感染が疑われた遅発型侵襲性 B 群溶血性レンサ球菌III型感染症の新生児例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Late-onset Invasive Group B Streptococcus type III Disease through breast milk transmission in a neonate

この論文をさがす

抄録

症例は日齢13の新生児である。発熱し,B 群溶血性連鎖球菌(Streptococcus agalactiae,Group B Streptococcus;GBS)敗血症と診断され, 抗菌薬治療で合併症なく退院した。母体の膣培 養検査でGBSは陰性だったが,児の発熱直前から乳腺炎があった。遅発型のうち,経母乳感 染例の報告はあるが,乳汁培養検査の実施,母乳栄養の継続・中止については相反する意見がある。本症例ではこれらの情報を母に説明し, 乳汁培養検査を実施した。児の血液と母の乳汁から分離されたGBSの抗菌薬感受性は同一で, 血清型はいずれもIII型であり,経母乳感染が疑われた。母と相談し,母乳栄養を中止し,除菌を行ったが,最終的に母乳栄養は再開しなかった。感染経路の推定に乳汁培養検査は有用であると考えられるが,GBS 陽性であった場合は, 母の心理面を考慮し,母乳栄養継続,中止の判断は症例ごとの対応が必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ