小児の腸内細菌叢とアレルギー

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タイトル別名
  • Relation between Gut Microbiota and Allergy in Children

抄録

<p>ヒトの腸内細菌叢は,出生後から乳幼児期にかけてダイナミックに変化し,3歳までに安定するといわれている.乳幼児期に形成される腸内細菌叢は,アレルギー疾患も含めてヒトの健康・疾病に大きくかかわっており,その乱れ(dysbiosis)は短期的のみならず,長期的な影響を健康状態に及ぼす可能性がある.小児の代表的なアレルギー疾患である,アトピー性皮膚炎,喘息,食物アレルギーで発症前からのdysbiosisが報告されているが,特定の菌属の関与は明らかではない.腸内細菌の代謝物のなかで酪酸のアレルギー疾患の寛解における関与を示す研究はいくつかあるが,発症における短鎖脂肪酸の関与についてはまだ不明な点が多い.腸内細菌叢の形成・発達には,出産様式,抗生物質の使用の有無,乳児期の栄養法などが大きく影響する.プロバイオティクスなどによるアレルギー疾患の予防では,出産後の介入は効果はなく,妊娠中からの介入の有効性が報告されている.特に食品・栄養素が腸内細菌叢に与える作用についての解析が今後望まれる.</p>

収録刊行物

  • 腸内細菌学雑誌

    腸内細菌学雑誌 37 (4), 187-198, 2023

    公益財団法人 腸内細菌学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579444528881536
  • DOI
    10.11209/jim.37.187
  • ISSN
    13498363
    13430882
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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