濁水問題の原因究明と生態影響評価を目的とした富士川-駿河湾複合生態系の緊急学術調査 ―富士川保全生態学術研究グループ―

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書誌事項

タイトル別名
  • Ecological assessment of the sources and effects of high turbid waters in the Fuji River watershed ―The Fuji River Conservation Group―

抄録

<p>近年,駿河湾のサクラエビが記録的な不漁に見舞われており,その原因の1つとして富士川から流入する濁水の影響が懸念されている.本研究は,富士川水系の濁水の発生源を明らかにするとともに,富士川下流の生物群集に及ぼす影響を評価することを目的に調査を行った.2020年10月以降,延べ346地点で採水調査を行った結果,富士川では降雨に伴って強い濁りが発生し,とくに早川水系支流雨畑川から多くの懸濁物質が流出していることが明らかとなった.この濁りの主体は,粒径が細かい鉱物粒子であると考えられた.濁水が流入する早川と富士川下流域で生物群集(藻類,水生昆虫,魚類)の調査を行ったところ,現存量や多様性,食物網に顕著な変化は見られなかったが,過去のデータが不足していることから結果の解釈には注意が必要である.本課題では,流域ガバナンス構築のための取り組みの一環として,富士川の自然再生に向けた流域ワークショップを2022年7月に開催した.今後も調査研究と対話の場の形成を続けながら,富士川の環境保全活動を続けていく予定である.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579444529028096
  • DOI
    10.32215/pronatura.32.0_56
  • ISSN
    21897727
    24320943
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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