国内希少種ミヤコカナヘビにおいてなにが個体群の成長を妨げているのか?生息密度勾配の把握と集団構造解析によるアプローチ ―ミヤコカナヘビ研究グループ―

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書誌事項

タイトル別名
  • A study on necessary condition for population growth in the Miyako grass lizard based on population density pattern and population genetic structure ―Miyako Grass Lizard Research Group―

抄録

<p>本研究では,絶滅危惧種ミヤコカナヘビの効果的な保全策の策定を目指して,本種の生息密度の地理的配置と,生息地パッチ間の分散の実態を調査することで個体群が維持されるために必要な条件を探ることを目的とした.まず,高密度生息地内において個体の分布を調べたところ,周年あるいは活動が活発な春~秋季にかけて集中分布を示した.次に,この高密度生息地周辺での生息密度勾配を知るために,2020年と2021年の秋季に広域での分布調査を行った.両年で調査した101地点のうち複数の個体が2年連続で確認された8地点はそれぞれ3つの地域にある程度集中しており,それらの地域の間は本種が不在の地域であった.生息地パッチ間の遺伝子流動の程度を評価するためマイクロサテライト解析を試みたが,安定して解析可能な遺伝子座を十分に得ることができず,この点は未解明である.上述した2つの地理スケールでともに個体の分布が集中していることから,ミヤコカナヘビの個体群の維持には生息密度の高さそのものが重要である可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579444529030272
  • DOI
    10.32215/pronatura.32.0_49
  • ISSN
    21897727
    24320943
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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