南西諸島におけるサトウキビの糖生産量に及ぼす変動要因の解析

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タイトル別名
  • Analysis of Variable Factors on Sugar Yield of Sugarcane in the Nansei Islands, Japan

抄録

<p>干ばつや台風など制御困難な気象災害が常在する南西諸島において,サトウキビの可製糖量とその構成要素に対する気象要因,作型および品種の影響を解析し,栽培体系における糖生産量を改善するための諸要因を究明した.沖縄県久米島において品種Ni21,Ni22,RK97-14を春と夏に植え付け,それぞれ株出し1回目までの8年間について解析した.干ばつや台風により可製糖量とその構成要素は大きく変動していたが,作型や品種の効果も判然としていた.構成要素の安定性を見ると可製糖率は最も安定し,原料茎数はやや安定していた.しかし生育旺盛期の干ばつにより一茎重が変動し,原料茎重と可製糖量が低下した. ゆえに,土壌の保水力の向上や生育旺盛期のかん水などによる一茎重の増加で,可製糖量が安定増加する可能性がある.年当たり可製糖量は春株体系,夏株体系,夏体系の順で有意に多かった.ただし栽培体系は,経営規模や労働力などによって柔軟に選択すべきである.また,夏株体系において株出しの安定増収を図るため,一茎重が重くて株出し能力が高い高糖性品種を選択し,施肥法を改良することが重要である.新品種RK97-14は3つの栽培体系とも可製糖量が多い傾向があったが,夏植えの早植えでは倒伏し易いので,やや遅い夏植えに適している.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579454815398400
  • DOI
    10.11248/nettai.16.14
  • ISSN
    21872414
    18828434
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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