「ナイチンゲール看護」を実践したCOVID-19 自宅療養の考証

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  • The experience of home care in COVID-19 supported by Nightingale Nursing

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抄録

 2022年前期,COVID-19の感染拡大により医療体制がひっ迫したことに伴い,COVID-19陽性者(以下,陽性者)・濃厚接触者は自宅療養を余儀なくされるケースが急増した。このような状況の中,同居家族が陽性となり自宅療養を経験することとなった。家庭内感染のリスクが高くなると言われている自宅療養において,「ナイチンゲール看護」を実施した。このことが家庭内感染を防ぎ,陽性者の安楽と早期回復を促すことに繋がったと考える。<br/>  ナイチンゲール看護は,看護実践の基礎となる原理・原則に関する哲学的な方向づけとなる看護に焦点を当てた哲学的アプローチであり,どのような状況であっても「すべてのケア提供者」にとっての手引きとなり実践に活かすことができる。<br/>  今回COVID-19自宅療養で行った看護を,ナイチンゲール看護に基づき「自宅療養」「感染対策」「看護者の負担」「自宅療養を支える健康医療システム」「プライマリ・ケアや地域包括ケアシステムにおける看護師の役割」の観点から振り返った。特に「自宅療養」においては,『看護覚え書』に記されている1. 換気と暖房 2. 住居の健康 3. 小管理 4. 物音 5.変化 6.食事 7.食物の選択 8.ベッドと寝具類 9.陽光 10.部屋と壁の清潔 11.からだの清潔 12.おせっかいな励ましと忠告 13.病人の観察,の項目ごとに実践内容を具体的に振り返った。<br/>  今回,実践した看護を「ナイチンゲール看護」を基に振り返ることで,看護の対象は陽性者や濃厚接触者だけでなく,療養生活を支える看護者も含まれることを再認識した。また,病人への看護だけでなく同居する家族の健康を維持するための看護内容についても考えることができた。看護が担う役割は,プライマリ・ケアや地域包括ケアシステムの中においても大きくその役割を果たすことは,地域で暮らす人々に健康問題が生じた場合においても住み慣れた場所で安心して暮らせることに繋がると言える。

収録刊行物

  • 天理医療大学紀要

    天理医療大学紀要 11 (1), 1-7, 2023-03-31

    学校法人天理よろづ相談所学園 天理医療大学

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579465811085696
  • NII書誌ID
    AA12747643
  • DOI
    10.24667/thcu.11.1_1
  • ISSN
    24336394
    21876126
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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