新生児の分娩時皮膚損傷についての検討

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  • Neonatal Skin Injury during Delivery

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抄録

<p> 序論:一般的に,出生後早期に生じた創傷は瘢痕なく治癒するといわれている。関東労災病院で出生した新生児の分娩時皮膚損傷とその瘢痕化の有無について検討した。<br> 方法:対象期間中に分娩時皮膚損傷で紹介された新生児83例について,カルテと臨床写真を用いて後ろ向きに調査し,分娩方法ごとの皮膚損傷の発生率と発生部位,生後1ヵ月での瘢痕の有無について検討した。<br> 結果:鉗子分娩は皮膚損傷の発生率が14.29%と高く,そのうち19.35%で頭頚部の両側に皮膚損傷がみられた。また対象83例のうち生後1ヵ月まで経過観察したのは80例,瘢痕形成したものはそのうち2例であった。<br> 考察:瘢痕形成した症例の経験から,治癒能力が高い新生児でも治療開始の遅れや創傷管理が不適切な場合は瘢痕を残すと考えられた。<br> 結論:分娩時皮膚損傷の瘢痕を残さないためには,産科医・小児科医や看護師・助産師と連携を行い,出生直後から適切な治療を開始することが重要である。</p>

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