骨盤内に波及した鼠径部化膿性リンパ節炎の小児 2 例

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抄録

化膿性リンパ節炎は細菌感染により腫大したリンパ節内に膿瘍形成する疾患である。鼠径部化膿性リンパ節炎のリンパ節波及の報告は少ないが,今回リンパ節に波及を起こした鼠径部化膿性リンパ節炎の 2 例を経験したので報告する。2 症例ともに鼠径部の化膿性リンパ節炎に加えてより頭側の骨盤内の大腿上リンパ節にも膿瘍形成を認めた。膿瘍治療にはドレナージ・ 適切な抗菌薬選択・十分な期間の抗菌薬投与が重要である。その際膿瘍のサイズのフォローが必要であるが多発しているかの評価にCT が有用である。しかしCT検査は被曝の関係から小児では頻繁に使用しにくい。化膿性リンパ節炎の場合,波及はリンパ行性に発生すると考えられるため,鼠径部化膿性リンパ節炎を診断した際は波及の有無の評価や治療期間決定に超音波が有用であると考えた。

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