抗インターフェロンγ自己抗体陽性の播種性Mycobacterium avium complex症の 1 例

DOI
  • 泉 祐介
    東京慈恵会医科大学附属第三病院 総合診療部
  • 吉田 博
    東京慈恵会医科大学附属柏病院 中央検査部
  • 山下 諒
    東京慈恵会医科大学附属第三病院 総合診療部
  • 平本 淳
    東京慈恵会医科大学附属第三病院 総合診療部

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抄録

症例はサルコイドーシスに対してステロイド投与中の 75 歳男性。臀部痛とCRP高値を認め,単純CTで左腸骨に溶骨性変化を伴う腫瘤影を認めた。患者の消耗を考慮し巨細胞性動脈炎の暫定診断でステロイドを増量,症状及び炎症反応の改善を認めた。99mTc-HMDP骨シンチグラフィーでは鎖骨,肋骨,腰椎,骨盤骨に集積を認めた。腸骨生検検体の等温性核酸増幅検査で Mycobacterium avium(M. avium)が陽性,病理組織検査では肉芽腫,チール・ネルゼン染色で抗酸菌を認めた。気管支洗浄液検体の等温性核酸増幅検査でも同菌が陽性となり播種性M. avium complex症と診断した。ステロイドは多剤併用療法開始まで減量し継続,その間に症状の再発や炎症の悪化は認めなかった。免疫不全を伴う併存疾患はなく,抗インターフェロンγ自己抗体が陽性であり発症に関与したと考えられ考察を加え報告する。

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