「タンチョウモチ」及び「いちほまれ」炊飯時に発生する匂い成分のリアルタイム分析

書誌事項

タイトル別名
  • Real-Time Monitoring of Flavor Volatiles Released during Rice Cooking

抄録

<p>共鳴増強多光子イオン化飛行時間型質量分析法を用いて,炊飯時に発生する匂い成分のリアルタイム分析を試みた.米試料には「タンチョウモチ」(もち米)及び「いちほまれ」(うるち米)を用いた.「タンチョウモチ」は「いちほまれ」よりも吸水率が高いため,炊飯時の加水量を少なくした.波長266 nmのレーザーを用いた結果,インドールと4-ビニルフェノールが検出された.前者については,「タンチョウモチ」の方が「いちほまれ」よりも低温で検出され始めた.これは,「タンチョウモチ」の方が低温でデンプンが膨潤・糊化するため米内部のインドールあるいはその前駆体が外部に漏出しやすいこと,及び炊飯時の加水量が少ないためより低温で気化が進行したことが原因であると考えられた.一方,4-ビニルフェノールの検出開始温度はいずれの米試料でも100℃ 弱で同じであった.これは主に前駆体からの熱分解温度に起因するものと考えられた.また,リアルタイム分析の結果として,蒸気が噴出することに起因する周期的な信号の変化が確認された.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 72 (10.11), 399-405, 2023-10-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (19)*注記

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