糖尿病の栄養指導における生体電気インピーダンス法活用の効果

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タイトル別名
  • Effects of Using the Bioelectrical Impedance Method in Nutritional Guidance for Diabetes
  • トウニョウビョウ ノ エイヨウ シドウ ニ オケル セイタイ デンキ インピーダンスホウ カツヨウ ノ コウカ

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抄録

<p>【目的】食事療法と運動療法は,2型糖尿病治療の重要な柱となっている。しかしながら継続率は低い。生体電気インピーダンス法(BIA: bioelectrical impedance analysis)を用いて2型糖尿病患者における運動や食事による体組成変化の報告は多くあるが,体組成の変化を示して栄養指導した場合の指導効果に関する先行研究は見当たらなかった。そこで本研究では,BIAを用いて体組成を測定し栄養指導時にその客観的な指標を示すことにより,2型糖尿病患者に食事療法や運動療法の重要性を訴え,その効果を判定することを目的とした。</p><p>【方法】2型糖尿病患者を,BIAで測定した体組成のデータを用いて栄養指導を行った群9名(A群),BIAでの測定を行わず栄養指導のみを行った群12名(B群),さらにBIAでの測定も栄養指導も行わなかった群20名(C群)の3群に分け,栄養指導開始時と6か月後のHbA1cを測定し各群で比較した。また,BIAを用いて骨格筋量,体脂肪量を測定し,骨格筋量/体脂肪量の比を算定した。</p><p>【結果】6か月後のhemoglobin A1c(HbA1c)はA群とB群ともに有意に減少したが,C群は変化がなかった。6か月後のA群のHbA1cはC群より有意に低値を示した。さらにA群の骨格筋量/体脂肪量は6か月後,有意に増加した。</p><p>【結論】2型糖尿病治療の栄養指導は単独でも有効であるが,客観的なBIAのデータを患者に示しながら栄養指導した場合,より効果が高くなる可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 81 (5), 228-236, 2023-10-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (24)*注記

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