<i>in situ</i> XAFS用加熱フローセルシステムの開発と無電解ニッケルめっき反応の解析への応用

  • 中島 淳一
    日産化学株式会社物質科学研究所物質解析研究部
  • 野上 哲平
    日産化学株式会社物質科学研究所物質解析研究部
  • 梶原 佑紀
    日産化学株式会社物質科学研究所物質解析研究部
  • 仲西 桃太郎
    日産化学株式会社物質科学研究所物質解析研究部
  • 藤木 裕宇
    日産化学株式会社物質科学研究所物質解析研究部
  • 近間 克己
    日産化学株式会社物質科学研究所物質解析研究部
  • 山添 誠司
    東京都立大学大学院理学研究科化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Heatable Flow Cell System for <i>in situ</i> XAFS and Its Application to Analysis of Electroless Nickel Plating Reaction

抄録

<p>溶液を含む試料の化学状態変化を連続的に観測するin situ XAFS測定用の加熱フローセルシステムを開発した.本システムの適用可能性を評価するため,無電解ニッケル─リンめっき反応の解析に応用した.フローセル及びヒーターにはX線が透過する窓を設け,触媒を付与したポリエステルフィルムを20枚重ねてセル内に封入した.無電解ニッケル─リンめっき液は,ポンプを用いて60℃ に設定したセルへ送液し,フィルム上にニッケルめっきを析出させた.析出反応に伴うニッケルの化学状態変化は,めっき液の送液を開始したところから連続的にNi K吸収端XAFS測定(SPring-8内BL28B2)を行うことによって観測した.この結果,使用しためっき液のニッケル源である硫酸ニッケルが時間経過とともに金属ニッケルやリン化ニッケルへと変化する様子を観測できた.また,in situ XAFS測定による解析結果は,ニッケル及びリンのex situ XAFS測定に基づく化学状態変化の解析結果とおおむね一致した.したがって,本フローシステムによるin situ XAFS測定は,溶液を含む試料の化学状態変化の連続的な観測に有効であると考えた.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 72 (10.11), 391-397, 2023-10-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (10)*注記

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