芍薬(PAEONIAE RADIX)の篤農技術検証:伝統的加工環境の数値化

書誌事項

タイトル別名
  • Exploration of Traditional Production Technique of PAEONIAE RADIX : Digitization and Analysis of Processing Environment

抄録

<p>大和芍薬の高品質性を補完する伝統的加工技術に着目した。まず,近世以降の歴史考証から奈良県に残る自然乾燥の伝統手法を再見した。次に1938~2019年間の奈良県薬用作物生産記録を収集解析し,シャクヤク栽培実績の変遷から地域生産と篤農技術の衰退を検証した。種苗供給から栽培・加工調製技術の指導に資する薬種商の伝統知を可視化する目的で,棚干場に3年間,気象観測装置を設置し実測した。主な国内栽培地の自然環境をメッシュ農業気象データシステムの気候要素予測値で比較した場合,冬期,奈良県の気候は他県より高温低湿な環境で地勢に恵まれた自然乾燥適地であった。風向風速の実測値による風配図から,日中は西風が多く,断続的で緩やかな多様に変化する奈良の風況を示した。地域環境特性を利用した燃料不用の自然乾燥に対し,他県は機械乾燥が多い。高品質を可能にする気候因子の数値化で,伝統技術の合理性を明確にした。</p>

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参考文献 (7)*注記

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