Kommerell憩室内の血栓による脳梗塞が疑われた超高齢患者の1例

DOI Web Site 参考文献7件 オープンアクセス
  • 水戸 大樹
    国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科
  • 松岡 幹晃
    国立病院機構福岡東医療センター脳神経内科
  • 清原 卓也
    九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
  • 由比 智裕
    社会医療法人財団白十字会白十字病院脳・血管内科
  • 熊井 康敬
    社会医療法人財団白十字会白十字病院脳・血管内科
  • 杉森 宏
    国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Thrombus in the Kommerell’s diverticulum as a suspected cause of stroke in a very elderly patient: a case report

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説明

<p>症例は90歳女性.心房細動に対して,アピキサバンを内服していた.意識障害と右片麻痺のため搬送され,頭部MRIで左後大脳動脈閉塞と同領域に急性期脳梗塞を認めた.大動脈精査の造影CT検査で,右大動脈弓,異所性左鎖骨下動脈に伴うKommerell憩室を認め,憩室内に血栓が示唆される造影欠損を認めた.アピキサバン内服中だったため,Kommerell憩室内の血栓による脳梗塞の可能性が高いと判断した.Kommerell憩室は大動脈弓発生過程での先天性奇形であり,合併症の頻度が高い.また,右大動脈弓を合併することが多く,右大動脈弓の精査から偶然見つかることが多いが,本症例は90歳まで未指摘だった.Kommerell憩室の脳合併症は,破裂や解離によることは想定されるが,Kommerell憩室内血栓で脳梗塞を来した報告は調べた限りなく,稀な1例を経験したため報告する.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 45 (6), 505-509, 2023

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (7)*注記

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