妊娠中に発症した急性虫垂炎を契機に診断された虫垂神経内分泌腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A Case of Appendiceal Neuroendocrine Tumor with Appendicitis During Pregnancy
  • ニンシン チュウ ニ ハッショウ シタ キュウセイ チュウスイエン オ ケイキ ニ シンダン サレタ チュウスイ シンケイ ナイブンピ シュヨウ ノ 1レイ

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抄録

<p>神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:以下,NET)において虫垂原発はNET全体の約3%と少なく,若年妊婦での発症は非常にまれである。今回,妊娠中の急性虫垂炎を契機に発見された虫垂NETの1例を経験したので報告する。症例は27歳女性,妊娠7週の初産婦で右下腹部痛を主訴に当院を受診した。腹部診察ではMcBurney点に反跳痛を認め,CTで急性虫垂炎と診断した。明らかな腫瘍性変化や特異的リンパ節腫大は認めなかった。妊娠中の急性虫垂炎であることも踏まえ,緊急手術の適応と判断し,腹腔鏡下虫垂切除術を実施した。術後経過は母児ともに良好で術後7日目に退院した。病理診断は穿孔性壊疽性虫垂炎および虫垂NET G1で,腫瘍径7 mm,間膜浸潤陰性,脈管侵襲陰性を確認して追加切除は行わない方針とした。妊娠中の虫垂NETにおいては腫瘍学的根治性と安全な周産期管理の達成を最大限に考慮する必要がある。</p>

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