震動台の回転の影響を考慮した振動特性と層パラメタの評価

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Shake Table Rocking Effects on Vibration Characteristics and Story Parameters: A Case of Full-Scale Four-Story RC Building
  • ―実大4層のRC造建物の場合―

抄録

<p>震動台の回転の影響を受けた実大4層のRC造建物の実験結果から等価せん断型モデルの振動特性(1次モードの固有周期と減衰定数)と層パラメタ(層剛性と層減衰)を評価することを試みた.同定は,著者らが提案しているサブストラクチャーモデルの1次のモード応答を近似させる方法によった.同定値の妥当性の考察は,ARXモデルを用いた先行研究の結果と比較・照応することによって行った.ランダム波加振についてみると,回転補正を行わない場合は行う場合に比べて,固有周期は大きく,減衰定数も大きく評価されることが確認された.また,層剛性と層減衰への回転補正の効果は,固有周期と減衰定数の補正効果に相応する傾向を示した.著者らの方法は定常で線形な振動を前提としているが,非定常で非線形な振動を伴う地震波加振の場合への適用も試みた.その結果,固有周期と減衰定数の同定値は地震時の最大周期とそれに対応する減衰定数の値にほぼ一致することがわかった.また,地震時の最大周期の値は地震前後のランダム波加振時の固有周期から推定できる可能性があることを示した.さらに,加振履歴に伴う下3層の層剛性の初期値に対する低下の割合は互いにほぼ等しいことが示された.最後に,震動台の制御方法が基本制御の場合は一様に,固有周期は大きく,減衰定数も大きく評価されることを示した. </p>

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