「妊娠期の父性」の概念分析

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タイトル別名
  • A Conceptual Analysis of Gestational Fatherhood
  • 「 ニンシンキ ノ フセイ 」 ノ ガイネン ブンセキ

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抄録

<p>目的:妊娠期から父性を育み,胎児へ高い愛着をもつことは出生後の子どもへの愛着に関連するため重要である.「父親意識」,「父親役割」等について定義している文献は散見するが,妊娠期に限定して用語を定義している先行研究は見当たらず,また「妊娠期の父性」について明確に概念化している研究は見当たらない.本研究は,「妊娠期の父性」の概念を概念分析によって明らかにすることを目的とする.</p><p>方法:Rodgersの概念分析のアプローチ法を用いた.検索には,医中誌Web, CiNii Research, PubMed, CINHAL, PsycINFOの5つのデータベースを使用した.検索の結果,日本語文献14件,英語文献16件の計30件を分析対象とした.</p><p>結果:属性は【父親としての責任】【胎児への愛着】等の6カテゴリ,先行要件は【胎児への接近感情と回避感情】【理想の父親像】等の7カテゴリ,帰結は【自己概念の変化】【夫婦サブシステムの変化】等の4カテゴリが抽出された.</p><p>考察:分析の結果,本概念を「父親としての責任感をもち,父親役割を獲得し,良い父親になる意識および養育行動をする自分をイメージすることにより,妊娠への関与行動をとり,胎児への愛着を育むこと」と定義した.</p><p>結論:今後は妊娠期において妊婦だけでなく,父親も含めて支援対象であると認識し,家族員全員に対して適切な介入をする必要がある.</p>

収録刊行物

  • 家族看護学研究

    家族看護学研究 28 (2), 101-111, 2023-03-31

    一般社団法人 日本家族看護学会

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