「ポスト・スポーツ」のパースペクティヴから見る“ヒューマニティ(人間性)”とWell-Being

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タイトル別名
  • Humanity in Modernity and Well-Being in the Future from the Perspective of Post-Sports

抄録

<p>近年、スポーツは二つの局面において近代の規範的な「人間」のあり方に対して鋭い問いを提起している。この問いに与えられた概念を「ポスト・スポーツ」と呼びたい。近年、多くのアスリートたちが、BLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動や#MeToo、フェミニズム運動の世界的なうねりを引き起こす重要な存在となっている。彼ら/彼女らの動きは、西洋白人男性中心主義やジェンダーの二元性、ヘテロセクシュアリティ、そして健常さの規範を理想的な身体としながらグローバルに君臨してきた近代スポーツへの厳しい異議申し立てと言えるだろう。SNSのような新しいメディア環境に繋がったアスリートたちが、既存の社会における支配的な社会関係を組み替える「ソーシャルなアスリート」として登場している。また、近代スポーツは自然/文化の二元論を維持しながら「人間中心主義」を謳ってきた。しかしポスト・スポーツの時代において、アスリートたちは新しいテクノロジー(機械、非人間)を部分とする身体を形成している。スポーツの身体は、もはや「生身」とその文化的加工・規律訓練を意味するのではなく、機械(モノ、テクノロジー)や情報(データ)や自然環境を組み込んでいる。このような身体のリアセンブリーは、近代の理想的な人間性を越えて、多様な差異を多様なままに接続/非接続する。この視座からスポーツや体育が生み出す“Well-Being”について考えていきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579830883362816
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_38
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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