特定の地方自治体における指定管理者制度の現状や課題についての検討

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  • 制度導入に纏わる指定手続き等に着目して

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<p>地方自治法の一部を改正する法律が2003年に成立・交付されてから20年の節目を迎えた。総務省が経年的に調査を実施してきたまとめ(「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」)によると、2021年時点での本制度導入施設は77,537ケ所に上り、前回(2018年)調査時の76,268施設から1,269ケ所の増加となる。このことからも本制度への関心度も高いことがわかるが、先行研究に目を向けると特に公共スポーツ施設を対象としたものとしては、2009年頃から間野らにより一連の研究が蓄積された。それらでは利用者側と管理・経営者側の両者にとって、指定管理者制度の導入が好影響を与えていることが示された。一方で特定の公の施設に限定せず、指定管理者制度導入の地域差とその要因について、日経産業消費研究所が行った調査「自治体における指定管理者制度導入の実態」を用いて分析・検討した佐藤(2013)の研究や、指定管理者制度について、運営上の課題が発生する背景と要因を分析する際に特定自治体の指定手続きに着目した上で対応方策を示すことを目的とした山中(2023)の研究は新たな視点を提示してくれる。本制度の導入にあたって熟考を必要とする4視点としては、①「施設の設置目的」及び「主たる利用者」の再検証、②制度導入の必要性、③当該地域の歴史や伝統文化等に依拠した「シビックプライド」、④地域経済や地元雇用、をあげる。現場を熟知する自治体が、公募・非公募の手続きの選択を通じて最も適した運用となるべくバランスをとっていると捉えることが妥当との指摘も示唆的である。そこで、特定の地方自治体における公の施設の指定管理者制度に纏わる指定手続きに着目することにより、当制度による対象地域の現状や課題について明らかにすることを本研究の目的とする。本研究分野の資料収集のための基礎的研究として位置づける。</p>

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