幼児における時間帯別の身体活動量と疲労症状との関係について

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抄録

<p>【目的】幼児の身体活動量は体力向上に影響を与えることは先行研究で指摘されている。一方で疲労症状や不定愁訴などの関連については報告例が少なく、身体活動が体調の維持に影響を与えるかについて明らかにされていない。我々は昨年、幼児の疲労症状と身体活動量について報告したが、時間帯について検討していなかった。そこで本研究では時間帯別の身体活動量に着目し、疲労症状との関係を検討した。【方法】愛媛県内の幼稚園に通園する92名を対象に身体活動量の計測及び疲労症状、生活習慣に関する質問紙調査を行った。この内、活動量計の装着が一定時間以上かつ質問紙に未回答、誤記入がない55名を解析対象とした。身体活動量は活動量計を1週間装着し、平日、休日毎に時間帯別及び強度別の総活動時間を算出した。時間帯は朝(登園前)、昼 (登園中)、夕方 (降園後)、夜(夕食後)とした。質問紙調査は保護者に対し行った。疲労症状については幼児用疲労症状調査を行い、合計点、下位尺度得点(一般的症状、精神的症状、局所的症状)を算出し、生活習慣に関する項目では起床、就寝時間を回答させ、睡眠時間を算出した。比較は重回帰分析を用い、目的変数に幼児用疲労症状調査合計点及び下位尺度、説明変数に各時間帯、各強度の総活動時間及び睡眠時間、統制変数として年齢、性別を投入した。【結果】合計点との相関では休日朝0~2.9Metsで正の相関が見られた。一般的症状では平日昼0~2.9Mets、平日昼6.0Mets以上、休日朝6.0Mets以上で負の相関が見られた。精神的症状では、平日昼0~2.9Mets、休日朝6.0Mets以上で負の相関が見られた。【考察】以上の結果から幼児における身体活動量と疲労症状との間には関係性がある可能性が示唆され、特に休日朝の身体活動量が幼児の疲労症状の予防改善に影響を与える可能性が伺えた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579830883402496
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_446
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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