体育科模擬授業における課題設定の方法に関する研究

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抄録

<p>これまで、体育科の教員養成において、模擬授業に関わる研究が蓄積されてきた。特に、模擬授業後に行われる学生の振り返り(省察・リフレクション・反省など)に着目し、その質や量、変容などの実態について検討されてきた。そして、それらの検討を通して、学生が振り返り等の量を増大させたり、質的に深めたりする効果的な方法が明らかにされてきた。しかし、これらの方法を通して表出される振り返り等を、学生の授業力量の育成に効果的に活用しきれない場合があると考えられる。多くの場合、模擬授業後には協議会が行われ、個人的に行われた振り返り等を発表しあい、個人で気づかなかった内容を共有することで学びを深めていく。ところが、個人の気づきを共有するがゆえに、大学の授業内では解決しきれないほどの改善すべき点や模倣すべき点が生じることになる。学生が改善・模倣できる内容には限度があることから、共有された内容を取捨選択し、次に自分が実践する際の課題として設定する必要がある。そこで、本研究では、学生の振り返り等を取捨選択し、課題を設定する方法について検討することを目的とした。</p><p> 本研究では、学生の振り返り等を「優先度」と「難易度」という2つの観点で分析させ、その組み合わせ(「マトリックス」)によって課題の設定を行わせる方法を実践した。すなわち、「優先度」が高く「難易度」が低い内容を「最優先課題」、「優先度」が高く「難易度」も高い内容を「チャレンジ課題」、「優先度」が低く「難易度」も低い内容を「余力課題」、「優先度」が低く「難易度」が高い内容を「後回し課題」として設定させた。 </p><p> この方法(「マトリックス」)を実施した学生は、多くの振り返り等の中から次の実践で改善・模倣すべき課題を設定することができていた。詳細は当日発表する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579830883473664
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_614
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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