大学体育授業にて高い学修成果を導く要因(心)

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  • 決定木分析(CART)による条件探索

抄録

<p>近年、高等教育にて学修成果の可視化が各分野で進められている。大学体育授業では実践的かつ体験的な学びを通じ、様々な学修成果が獲得されることが明らかにされてきた。また学修成果の解明とあわせて、その影響要因の検討が行われている。ここまで体育授業の学修成果要因は幾らか見出されてきたが、影響要因に単独にフォーカスしている等,学修成果を高める上での知見は十分ではない。以上より、本研究では高い学修成果に影響を及ぼす大学体育授業の条件を探索することを目的とした。先行研究の検討等から、「学修者特性」として‘パーソナリティ特性’、‘対人スキル’、‘レジリエンス要因’、‘運動・スポーツ実施の好き嫌い’、‘運動部・サークル所属有無’、‘運動行動変容ステージ’を、そして「学修・教授行動」として‘体育授業への意欲的な取組’、‘体育授業のスポーツ経験’、‘体育授業の雰囲気’、‘体育教員の指導行動’を取り上げ、体育授業の主観的恩恵(PBS-FYPE)への影響を検討した。対象者は4年制大学にて教養体育科目を履修した学生であった。UPEプロジェクトにて、2017年に複数回の調査を実施し、収集されたデータより体育授業の受講者を分析対象者とした。解析の結果、対象者が履修した体育実技授業の主観的恩恵得点は基準値より有意に高かった。また、決定木分析(CART)による要因探索の結果、「運動スキル」においては、「挑戦達成(体育実技経験)」が第1分岐変数として、また「共感・配慮(体育教員の指導行動)」が第2分岐変数と示された。両変数の条件を満たす対象者の「運動スキル」平均値は最も高く、次いで「資質的レジリエンス要因」が第3分岐変数として示された。さらに,学修成果内容にて影響要因は異なることも示唆された。体育授業にて上記変数を考慮することでより高い学修成果を導く可能性が示され、またその意義や今後の課題等について議論を行う。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579830883509248
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_95
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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