肛門括約筋機能低下を有する女性における便失禁の特徴に関する検討

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タイトル別名
  • Characteristics of fecal incontinence in women with anal sphincter dysfunction

抄録

<p>【目的】肛門括約筋機能低下を有する女性における便失禁の要因を検討する。</p><p>【方法】2019年1月から4月に、肛門括約筋機能低下(最大静止圧:以下MRP<45mmHgかつまたは最大随意収縮圧実測値:以下MSP<130mmHg)と診断された女性を対象に、便失禁群と無便失禁群に分けて、2群間で便失禁の要因を多変量解析にて後方視的に検討した。また便失禁群では、治療による肛門内圧や症状スコアの変化も検討した。</p><p>【結果】解析対象は221人(年齢中央値:75歳、四分位:64-80歳)で、便失禁群149人、無便失禁群72人であった。両群間でMRPとMSPに有意差はなかったが、便失禁群は有意に高齢で、排便回数が多く、直腸脱と鉗子分娩が多かった。多変量解析では、排便回数2回以上/日と鉗子分娩が便失禁の独立リスク因子として同定された。便失禁群で治療開始から6ヵ月時点まで評価できた15例では、治療前後でMRPとMSPに有意差はなかったが、症状スコアは有意に改善した。</p><p>【結語】肛門括約筋機能低下を有する女性において、排便回数2回以上/日と鉗子分娩の既往が、便失禁の独立リスク因子であることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579830883519232
  • DOI
    10.32158/jsscr.39.3_138
  • ISSN
    24343056
    18820115
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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