当科の寛骨臼回転骨切り術における術後VTEについての検討

抄録

<p>【はじめに】骨盤骨切り術は以前から静脈血栓塞栓症(VTE)の高リスクと考えられているが,その頻度は明らかになっていない.当院の寛骨臼回転骨切り術(RAO)における術後VTEについて調査した.【対象と方法】2013年から2022年に行ったRAO 77関節,女性75/男性2,手術時平均年齢41.9歳.術後通常の理学的予防法を行い,薬物予防法は症例に応じて判断した.以上の症例におけるVTEの発生頻度,発生に影響を与える因子を調査した.【結果】VTEの発生率は18.2%であった.手術時期が2016年以前では22.4%,2019年以降では10.7%と低下傾向にあったが有意差はなかった.VTEあり群となし群で比較した結果,手術時年齢がVTEあり群で有意に高かった.【考察】RAO術後VTEは高率に発生しており,手術時年齢が高い場合はより積極的な予防を行うべきである.手術時期による発生率の低下は,離床までの期間の大幅な短縮やベッド上での早期自動運動開始などが要因と考えられる.</p>

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