踵骨隆起に発生した骨軟骨腫の1例

抄録

<p>【はじめに】骨軟骨腫は長管骨骨幹端周囲の発生が多く,踵骨に発生するのは稀である.今回,踵骨隆起に発生した骨軟骨腫の治療を経験したので文献的考察を加え報告する.【症例】54歳女性.関節リウマチによる足趾変形の治療目的で紹介受診.足趾変形による前足部痛に加え,歩行時の左踵骨足底部痛を訴えた.足部単純X線で痛みの部位に一致して骨性隆起病変を認めた.足趾形成術と同時に踵骨の骨病変の摘出術を行った.摘出病変は被膜様組織に覆われた二峰性の骨性隆起であった.病理診断は骨軟骨腫の診断であった.摘出術後8か月経過するが,歩行時の足底部痛の再発は認めない.【考察】今回,発生部位が稀である踵骨の骨軟骨腫の1例を経験した.関節リウマチの足趾変形による前足部痛とは別に,踵骨足底部痛により歩行障害を呈しており,摘出術を実施した.踵骨隆起の内側隆起に生じる踵骨棘が鑑別に挙がるが,今回の骨軟骨腫は外側隆起に発生していた.</p>

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参考文献 (6)*注記

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