骨盤部骨髄炎を合併した小児化膿性股関節炎の1例

抄録

<p>小児における骨髄炎は長管骨に好発し,骨盤部骨髄炎は比較的稀である.今回我々は,骨盤部骨髄炎に化膿性股関節炎を合併した一例を経験したので報告する.症例:12歳 男児.発熱と鼠径部痛を主訴に当院小児科受診し,精査で股関節液貯留を認めたため,同日整形外科コンサルトとなった.MRIでは関節液貯留の他,STIR像で寛骨臼に限局する高信号領域を認めた.関節液は軽度混濁,細胞数上昇と糖の低下を認めたが,細菌塗抹検査は陰性であった.左寛骨臼骨髄炎,化膿性股関節炎の診断で抗菌薬治療(クリンダマイシン+メロペネム)を開始し,翌日に切開排膿,デブリードマンを行った.関節液培養,血液培養は共にStaphylococcus aureus陽性でセファゾリンに変更した.発熱が持続するため初回手術から8日目に洗浄,デブリードマンと持続灌流を開始した.再手術後5日目に持続灌流を終了,発症4週後に炎症反応は陰性化した.発症から6週後に抗菌薬治療を終了し自宅退院となった.発症後1年経過し再発や機能障害は認めていない.</p>

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