脊髄性筋萎縮症I型の2例:疾患修飾治療実施における出生前診断と多施設多職種連携の意義
-
- 加藤 環
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 横村 守
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 浦野 真理
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 佐藤 裕子
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 芦原 有美
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 伊藤 万由里
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 松尾 真理
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
-
- 米衛 ちひろ
- 鹿児島大学病院小児科
-
- 児玉 一男
- 千葉県こども病院神経内科
-
- 小俣 卓
- 千葉県こども病院神経内科
-
- 大久保 幸宗
- 宮城県立こども病院神経科
-
- 冨樫 紀子
- 宮城県立こども病院神経科
-
- 萩野谷 和裕
- 宮城県立こども病院神経科
-
- 室月 淳
- 宮城県立こども病院産婦人科
-
- 齋藤 加代子
- 東京女子医科大学病院ゲノム診療科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Two cases of spinal muscular atrophy type I that received early treatment and achieved improved prognosis by promoting multi-center, multi-professional collaboration after prenatal diagnosis
この論文をさがす
抄録
<p> 脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy;SMA)は,遺伝性の下位運動ニューロン病である.従来よりI型またはII型のSMAをもつ児の両親から希望があり検査の意義について十分な理解がえられた場合に,次子の妊娠初期の遺伝学的検査を目的とした出生前診断が行われてきた.これまでは治療がなかったため,罹患判明時には妊娠継続が断念される場合がほとんどであった.しかし現在複数の疾患修飾治療薬が保険収載され,出生前診断の意義が変わりつつある.遠隔地の症例に対して居住地の医療施設と連携して出生前診断を行い,早期治療導入に成功した2症例を経験したので報告する.症例1は現在2歳4か月女児,症例2は1歳0か月男児である.症例1の兄がSMA Ib型,症例2の兄がSMA Ia型と診断されている.両症例とも出生前遺伝学的検査にて陽性(罹患)であったため,両親の出産および治療の意思を確認し居住地域の病院と連携し出生後の治療体制を整えた.症例1は呼吸不整を認めたため生後9日目に居住地の病院でnusinersen治療を開始し,生後3か月21日でonasemnogene abeparvovecの投与を行った.症例2は出生時より腱反射消失が認められたため,居住地の病院で生後2日目にnusinersen治療を開始し,生後11日目にonasemnogene abeparvovecの投与を行った.症例1は生後11か月に自立歩行を達成し,2歳2か月にジャンプ可能となった.症例2は生後12か月に独座を達成した.これからのSMAの出生前診断は陽性(罹患)時の万全な治療体制の構築を目的に実施されると考えられた.</p>
収録刊行物
-
- 脳と発達
-
脳と発達 55 (6), 443-447, 2023
一般社団法人 日本小児神経学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390579852781537280
-
- ISSN
- 18847668
- 00290831
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可