流通システムの理論的分析枠組みの再検討 : 二次流通の現象から考える

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  • Rethinking the Theoretical Framework of Retail and Distribution System due to Growth of Second-hand Market

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抄録

本稿は,C2C-EC(個人間電子商取引)に代表される現代の二次流通の近年における拡大を受け,流通システムの理論的枠組みの再検討を試みる。従来の流通システムの分析枠組みでは消費部門を流通の終点として認識してきたが,消費部門を起点とする二次流通を捉える際にしてその限界が表面化している。こうした概念的課題を克服するため,本稿は流通論の学術領域での既存研究を概観したうえ,流通システムの理論的分析枠組みの再検討・再構築の可能性について議論をおこなう。具体的に,本稿はまず,流通システムについての一般的な認識と,二次流通の概念や特徴を確認し,両者間の齟齬から生じた概念的課題を浮き彫りにする。つぎに,本稿は流通の概念と客体の範囲について先行文献を踏まえて検討する。そして,流通機能の機関代替性という観点から二次流通におけるプラットフォームと消費者の流通機能分担を検討する。そのうえ,二次流通を現代流通システムの「外縁」として認識し,それにかかわる諸問題の研究を進める必要があることを提言する。最後に,本稿の議論をまとめつつ,今後の研究の方向性を検討する。

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