日本総合健診医学会 第51回大会・シンポジウム4 次世代女性医療のパラダイムシフト ~多様性と可能性を求めて~ フェムテック到来により期待される女性検診のパラダイムシフトと展望

  • 吉形 玲美
    浜松町ハマサイトクリニック 東京ミッドタウンクリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Paradigm Shift and Future Prospect of Female Medical Examination with the Advent of Fem-tech

抄録

<p> 女性の健康管理において各ライフステージとエストロゲンの関与をとらえQOL向上・維持を目指したトータルヘルスケアを実践することが、これからの女性医療の役割であると考える。</p><p> 従来の一般的な女性検診は主に女性特有のがん (子宮頸がん、乳がん) 検診が中心であり、それ以外の女性のQOLやウェルエイジングに関する検査項目は網羅されていないのが現状である。健診の所要時間や費用、対面での健康指導などには物理的限界があり、さらに受診者側のヘルスリテラシーには大きなばらつきがある。超高齢化社会の中、次世代女性医療=トータルヘルスケアを実践するためには新たなソリューションの導入は必至である。</p><p> そのような中、近年ムーブメントが起きているフェムテックの活用が女性検診の場面でも期待される。‘FemTech Industry Landscape Overview 2021’によると1) 、フェムテックへの参入企業、投資家は年々急増しており現在実用化されているフェムテックのカテゴリーは、一般医療、妊娠&看護、性と生殖の健康・避妊、月経の健康、メンタルヘルス、健康長寿、メノポーズケア、ウーマンズウェルネス、セクシャルヘルス、骨盤&子宮ヘルスケア、と女性のトータルヘルスケアを網羅している (図1)。</p><p> 女性検診におけるフェムテックの具体的な活用法を考える際、まずは女性のライフステージごとの気を付けたい疾患と生活の質に影響する健康問題に沿ってフェムテックの種類を把握すること。次に、対応カテゴリーを整理することが必要と考える。フェムテックが活用されることは女性の個々の健康問題に対しセルフアセスメント、セルフケア、ヘルスリテラシー向上、医療アクセス向上など様々な側面から大きな役割を担うことだろう。</p><p> 本稿ではトータルヘルスケアを目指すライフステージに沿った女性検診の提案と、それに付随した今後期待される様々なフェムテックを取り上げ、活用法、展望について私的見解をまとめた。</p>

収録刊行物

  • 総合健診

    総合健診 50 (5), 474-480, 2023-09-10

    一般社団法人 日本総合健診医学会

参考文献 (1)*注記

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