オルタナティブデータの可能性と課題

DOI
  • 渡辺 努
    東京大学、株式会社ナウキャスト
  • 大森 悠貴
    東京大学、株式会社ナウキャスト
  • 横山 翔
    東京大学、株式会社ナウキャスト、株式会社風音屋

書誌事項

タイトル別名
  • Opportunities and Challenges in the Use of Alternative Data

抄録

オルタナティブデータという言葉を新聞や雑誌で頻繁に目にするようになってきた。経済の様子を知るためのデータといえば、これまでは GDP などの政府統計や企業の財務諸表だった。株式市場で売り買いする投資家の意思決定の元になったのはこうしたデータだ。これらは「伝統的」データとよばれている。伝統的データの代替物(=オルタナティブ)という意味でオルタナティブデータとよばれるものが登場してきた。例えば、スーパーのレジで蓄積されるPOSデータや、クレジットカードの購買履歴データ、スマホの位置情報データなどだ。オルタナティブデータはパンデミック前から存在していたが、一部の金融機関や投資家が使うにとどまり、認知度はさほど高くなかった。しかし、パンデミックを機に広く使われるようになり、パンデミック後も使用が拡大を続けている。本章では、最初に、オルタナティブデータの現状と先行きを展望するとともに、その使用の拡大とともに起きる可能性のあるいくつかの課題について考察する。続いて、パンデミックを題材にとり、オルタナティブデータの使用実例として、(1)スマホの位置情報データを用いた消費者行動の変化に関する分析、(2)クレジットカードの履歴データを用いた消費者‐店舗間のネットワーク構造の変化に関する分析を紹介する。

収録刊行物

  • 経済分析

    経済分析 208 (0), 99-127, 2023-10-25

    内閣府経済社会総合研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579919144289280
  • DOI
    10.60294/keizaibunseki.208.0_99
  • ISSN
    27589900
    04534727
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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