書誌事項
- タイトル別名
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- Factors that promote excessive drinking by groups of university students, factors that restrict excessive drinking by groups of university students, and the mutual relationship between these factors.
- ダイガクセイ シュウダン ニ オケル カジョウ インシュ オ ジョチョウ スル ヨウソ ・ ヨクセイ スル ヨウソ ト ソノ ソウゴ カンケイ
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抄録
【目的】大学生集団における過剰飲酒を助長する要素と抑制する要素,及びその相互関係を明らかにすることを目的とした。<br> 【方法】フォーカス・グループ・インタビュー法を用いた,質的記述的研究とした。大学3年生16名を3グループに分け,2回ずつ1時間程度のインタビューを実施した。<br> 【結果】助長する要素は,[たくさん飲んで盛り上げる習慣がある],[集団の中で自分の位置づけを探る],[同世代との関わり方に苦手意識がある],[飲み会で大学生のうまみを味わっている],[すぐに飲み会が開ける環境である]の5つだった。抑制する要素は,[集団全体への気配りをする習慣がある],[集団の中での立ち位置がぶれない],[同世代との適度な距離感をつかむことができる],[飲み会以外で楽しみを持っている]の4つだった。習慣,構成員,対人姿勢,悦楽の領域は,助長する要素と抑制する要素に共通して,環境の領域は助長する境域にのみ見出された。<br> 【結論】抑制する要素を増やすことが重要であり,大学生集団において過剰飲酒を防ぐために学生自身は,過剰飲酒を助長する要素を理解し見直すことが重要である。大学は,学生の内省や社交のソーシャルスキルの獲得を促し,アルコール健康教育以外の学生支援においても学生生活の実際の姿を把握するよう努め,学生と周囲の大人の両者で今日の大学生集団の文化を理解することが求められる。
収録刊行物
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- CAMPUS HEALTH
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CAMPUS HEALTH 57 (2), 134-141, 2020
公益社団法人 全国大学保健管理協会