金融教育に関する高校生の金融リテラシーを向上させる指導計画の提案 : 本校5年生の資産運用の知識の現状から考察する

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抄録

本研究は金融リテラシーへの注目の高まりから、高校生の金融リテラシーを高めるにはどのような金融教育が必要なのか、「資産運用」に焦点を当てて調査を行なったものである。本校で開講されている「家庭基礎」において金融教育を受けた本校5年生(10回生)を対象に文献調査、アンケート調査を実施した結果、本校生徒は『金融知識水準は高いものの金融商品に関する知識においては生徒間で格差があること、知識を応用させて将来的な資産運用を想像する思考力が不足していること』が明らかになった。特に「預貯金」「リスクとリターン」については、"理解している"と自認している生徒が多かったものの、実際は誤った理解をしている場合が多く見られた。そこで生徒が金融リテラシーを高めて資産運用を「自分事」としてとらえるために、現在の金融教育の改善点を盛り込んだ新たな指導計画を作成した。指導計画における新たな試みとしては、生徒の金融知識に関して深く理解できるように生徒の理解度に注意しながら授業を進める、生徒が金融と実生活を結び付けられるように思考力を鍛える、という以上2点を提案した。生徒の金融リテラシーを高めるには、生徒自身が主体的に学べる授業づくりが重要であり、そういった授業を実践できるだけの授業時間の確保も、今後の金融教育の課題と言える。

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