普及と実装を科学する—その方法と実際—

DOI
  • 島津 太一
    国立がん研究センターがん対策研究所行動科学研究部実装科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • The science of dissemination and implementation:methodology and research case studies

抄録

<p>エビデンスに基づく介入(evidence-based intervention, EBI)の普及と実装を科学的に進めるための学問分野を実装科学(implementation science)という.実装科学が扱うリサーチクエスチョンは,エビデンス・プラクティスギャップに対処するために答えるべき質問そのものである.具体的には,1) EBIを現場で日常のプラクティスとして実施するときの阻害・促進要因は何か,2) EBIを実装するには,阻害・促進要因に合わせどのような働きかけ(実装戦略)を用いるべきか,3)実装戦略の追加により実装に関連したアウトカムが改善するか,4) EBIの効果を損なわずに現場の阻害・促進要因に合うようEBIを修正するにはどうすればよいか,などである.実装科学の方法論は体系的に整理されたものである.現場のステークホルダーが普及を強く望むような,住民・患者によって有益なプラクティスがあり,それを普及させたいときに実装科学は有用なガイドとして機能するであろう.また,そのような実践活動を学術的に整理し新たな知見として報告する機会も与えてくれるであろう.本稿では,まず実装研究について総論的な解説を行い,次に現在国立がん研究センターの実装科学チームが実施している中小企業における喫煙対策の実装研究について紹介する.最後に,実装科学の普及という観点から行っている活動を紹介する.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580018950734592
  • DOI
    10.11260/kenkokyoiku.31.249
  • ISSN
    18845053
    13402560
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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