フラットな音と遮断される回路:子どもとデジタル技術の関係をどう記述するか

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タイトル別名
  • Ethnographic Description of Association between Children and Digital Technologies from the Sociomaterial Approach

抄録

<p>遍在するデジタル技術と子どもはどのような関係にあるのか。本論はこの問いに対し,Latourらによるアクターネットワーク理論に基づいた関係の記述の仕方を提案することで答えようとするものである。アクターネットワーク理論では人間やモノの連関として現象を記述しようとする。この方法論に基づき,ある家庭内で撮影された映像の観察から得られたデジタル技術使用実践の分析が行われた。家庭内に導入された音声操作可能なシーリングライトをめぐって形成された,子どもを含む家族による生活実践は,人間の声と環境音とを等しく(フラットに)扱う音声認識技術とそれへの対処として電子回路への給電を「遮断」する人間の協働として記述された。その記述において,照明の点灯という実践の連関に含まれる子どもやその声,スイッチやシーリングライトは,新しい意味を互いに付与していた。最後に,アクターネットワーク理論に基づいて子どもとデジタル技術との関係を記述することの発達心理学的な意義について議論した。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 34 (4), 285-297, 2023-12-20

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580063061587968
  • DOI
    10.11201/jjdp.34.402
  • ISSN
    21879346
    09159029
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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