総合的な学習の時間におけるエージェンシーの集合的達成:多様なアクターとともに作り続ける学習環境としての子ども文楽

書誌事項

タイトル別名
  • Collective Achievement of Student Agency in a Period of Integrated Study: Children's Bunraku Project as a Learning Environment Created with Diverse Actors
  • ソウゴウテキ ナ ガクシュウ ノ ジカン ニ オケル エージェンシー ノ シュウゴウテキ タッセイ : タヨウ ナ アクター ト トモニ ツクリ ツズケル ガクシュウ カンキョウ ト シテ ノ コドモ ブンラク

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抄録

<p>本研究では,小学校の総合的な学習の時間に行われている文楽学習の活動を対象に,主体的な学習を成立させる要件について検討する。まず,文楽学習の活動の1年間の流れと初年度の活動立ち上げのプロセスを記述する。学校内外の多様な人々(教職員,技芸員,卒業生,保護者,地域の人,文楽関係者など)が子ども文楽を支えていることを示す。次に,外部講師である技芸員が,どのように子ども文楽と自らを結びつけているのかを明らかにする。文楽を取り巻く社会的状況とインタビューでの語りから,技芸員の重層的で複合的なエージェンシーが見いだされた。最後に,学校教育を取り巻く社会的状況を踏まえ,子ども文楽を結節点として多様な人,モノ,制度がつながりあうことで,子どもたちが文楽を学習するというエージェンシーが集合的に達成されていることを確認する。そして,生徒エージェンシーを育むには,学習者がエージェンシーを発揮できる環境を,学習者と共同で作り出していくことが必要であることを論じる。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 34 (4), 323-335, 2023-12-20

    一般社団法人 日本発達心理学会

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