発達研究の可能性を広げるエージェンシー概念の導入:手織り伝承グループの活動から

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タイトル別名
  • Introducing the Concept of Agency in Developmental Studies: Sociotechnical Arrangements

抄録

<p>女性の手織り伝承グループ,ゆうづる会は,松阪木綿の伝統的手織り技術を次の世代に伝える役割を担おうとする強い意思,エージェンシーを活動と共に育んできた。松阪木綿に関わるモノや事や人,並びに,他のコミュニティーとの相互交渉を通して,ゆうづる会員は自らのエージェンシーを複合的なものに作り変えていった。本稿は,エスノグラフィックな調査に基づき,ゆうづる会員と会員を取り巻く社会技術的アレンジメントとの異種混淆のインタラクションを通して,会員のエージェンシーがどのように集合的に形づくられ,変化したのかを詳述する。多様な人間エージェンシーは,社会技術的アレンジメントの再編と活動の展開による絶え間ない作り直しのダイナミクスの中でよりよく捉えることができる。本研究は,発達研究の分野にエージェンシー概念及び社会技術的アレンジメント概念を導入することによって,対象事例における活動内容とそれを取り巻く人,モノ,装置の働きを豊かに描出し分析することが可能になることを示すものである。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 34 (4), 312-322, 2023-12-20

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580063061589632
  • DOI
    10.11201/jjdp.34.404
  • ISSN
    21879346
    09159029
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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