復興における郷土芸能と不在のアレンジメント
-
- 川野 健治
- 立命館大学総合心理学部
書誌事項
- タイトル別名
-
- Local Arts and Arrangements Indexing Absence in Reconstruction
抄録
<p>本研究は,復興における文化の役割を明らかにするために,社会物質性アプローチの観点から行った事例研究である。東日本大震災に見舞われたコミュニティにおいて,文化的なもの・ことが人や他のものと関係していくプロセスを観察することで,復興過程において人にはどのようなエージェンシーが現れるのかを把握し,レジリエンスにおける文化の役割を評価しようとした。岩手県大槌町臼澤集落の郷土芸能鹿子踊について,3つの研究報告を2次資料として分析したところ,(1)伝統芸能を担ってきた文化装置,あるいは人とモノのアレンジメントが,そのまま避難所運営に転用されたこと,またその避難所が郷土芸能を披露し避難者や集落の住民を力づける背景となったこと,(2)祭りが広く外部との関係主体性を導いたこと,(3)「不在のアレンジメント」が集合的なエージェンシーを底支えしたのではないかという3点が議論された。</p>
収録刊行物
-
- 発達心理学研究
-
発達心理学研究 34 (4), 336-343, 2023-12-20
一般社団法人 日本発達心理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390580063061590528
-
- ISSN
- 21879346
- 09159029
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可