セルロース系繊維に対するログウッド抽出色素の染色挙動におよぼす繊維内部環境の影響

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タイトル別名
  • Influence of Fiber Internal Environment on Dyeing Behavior of Logwood Extract Dye for Cellulosic Fibers

抄録

<p>繊維構造骨格がセルロースである綿,レーヨン,ジアセテート,トリアセテートのようなセルロース系繊維のログウッド抽出染料液による染色・媒染挙動を調べるとともに,それら染色・媒染挙動におよぼす各繊維が有する染着サイトの内部環境の影響について考察した.その結果,無調整のログウッド抽出色素によって今回使用した全ての繊維の染色が可能であったが,親水性である綿やレーヨンでは低温域,疎水性であるジアセテートやトリアセテートは高温域での染着性が高く,各繊維の最適な染色温度は異なっていた.同じ親水性繊維である綿とレーヨンでも,温度上昇による染色挙動が異なっており,レーヨンの非晶凝集構造分子の集束性は綿よりも低いものと考えられた.一方,ジアセテートやトリアセテートは,低温時には染着可能な領域が形成されにくいが,温度上昇に伴ってセグメント運動が活発化する一部の領域がハイドロゲル化することによって高い染料親和性を有する緻密な染着領域となるものと考えられた.さらに,全ての繊維において鉄,銅,アルミを用いた90℃での媒染処理によって染着したログウッド色素は金属錯塩を形成するが,いずれの中心金属も染着領域を構成する分子鎖とは配位していないものと推察された. キーワード:セルロース繊維,天然染料,染色挙動,繊維内部環境,染色条件,媒染</p>

収録刊行物

  • 繊維製品消費科学

    繊維製品消費科学 64 (12), 736-749, 2023-12-25

    一般社団法人 日本繊維製品消費科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580063062362496
  • DOI
    10.11419/senshoshi.64.12_736
  • ISSN
    18846599
    00372072
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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