ニボルマブ+イピリムマブ+プラチナ併用療法施行中,胸膜癒着術後にサイトカイン放出症候群をきたした肺腺癌の1例

  • 角 俊行
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 十良澤 太門
    函館五稜郭病院循環器内科
  • 鈴木 敬仁
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 越野 友太
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 池田 拓海
    函館五稜郭病院呼吸器内科 札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科
  • 渡辺 裕樹
    函館五稜郭病院呼吸器内科
  • 山田 裕一
    函館五稜郭病院呼吸器内科
  • 千葉 弘文
    札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科

書誌事項

タイトル別名
  • Cytokine Releasing Syndrome Following Pleurodesis During Combination Chemo-immunotherapy for Lung Adenocarcinoma

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抄録

<p>背景.免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor;ICI)と化学療法の併用において,最も重篤な免疫関連有害事象(immune related adverse event;irAE)の一つにサイトカイン放出症候群(cytokine releasing syndrome;CRS)がある.CRSは生命を脅かす高炎症病態で発熱や多臓器不全を呈する.重症化を防ぐためにも早期治療介入が重要である.症例.72歳 男性.右下葉肺腺癌に対して手術が施行された.術後経過観察中に胸膜播種,癌性胸膜炎で再発したため,ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法で治療を開始した.大きな有害事象はなく経過したが,day 27に胸水貯留による呼吸困難のため入院した.胸腔ドレナージ後,day 35に胸膜癒着術を施行した.Day 38より高熱が持続し,day 45に意識障害と多臓器不全を呈した.CRSが疑われたため,ステロイドパルス,トシリズマブで治療し症状は改善した.一時病態は安定したが,ニューモシスチス肺炎で死亡した.結論.ICIと化学療法の併用療法中は,CRSのような重篤なirAEの発症に対する留意と,迅速な対応と適切なマネージメントが必要である.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 63 (7), 971-976, 2023-12-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (13)*注記

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