重症脳底動脈閉塞に対して機械的血栓回収療法は有効か?

DOI
  • 梅田 浩介
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター
  • 松本 学
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター 日本医科大学付属病院 高度救命救急センター
  • 宮崎 善史
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター 日本医科大学付属病院 高度救命救急センター
  • 岩瀬 史明
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター 日本医科大学付属病院 高度救命救急センター
  • 萩原 一樹
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター 日本医科大学付属病院 高度救命救急センター
  • 伊藤 鮎美
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター
  • 松本 隆
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター
  • 三井 太智
    山梨県立中央病院 高度救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • The efficacy of mechanical thrombectomy for severe basilar-artery occlusion

この論文をさがす

抄録

<p>前方循環系の脳梗塞に対する機械的血栓回収療法 (MT) の有効性は明らかである。後方循環系である脳底動脈閉塞 (BAO) においても近年, 有効性を示す報告が出始めているが, 重症例においてはその評価は定まっていない。当センターに搬送されMTを行ったBAOのうち, NIHSS 22点以上かつGCS 8点以下の昏睡例を重症と定義し, 後方視的に調査した。調査期間に14例の重症BAOに対してMTを施行した。対象の中央値はそれぞれ年齢72歳 (67~77), 来院時GCS 4 (3~6), 来院時NIHSS 38 (32~40) であった。14例中3例 (21%) で良好な転帰が得られ, 5例 (36%) でNIHSS 10点以上の改善がみられた。前方循環や先行研究に比べ転帰良好が多いとはいえないが, GCS 4以下の超重症例が大部分を占めており, 治療は重要な役割を担ったと考えている。重症BAOに対しても積極的にMTを行っていくべきである。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ